2023.3.21 晴れ
日隠山
福島県 大熊町 J3ハイカーズ
ここは大熊町の南西部に位置する坂下ダム湖畔にある日隠山登山口です。(トイレあり、内部不明)
2011年3月11日の東日本大震災の原発事故以来、入山禁止になったと思われます。
あれから12年が経過しましたが、東日本大震災の爪痕は色濃く残っていました。
案内板を見ると山頂からの眺望などの紹介から魅力のある山歩きが楽しめそうです。
登山道に入ると直ぐの所に登山者記帳台がありました。箱の中はパンフレットもなく、空っぽでした。
山頂まで4514mです。案内板が新しい。2011年以前に制作されたものとは思われません。
昔、ここを行き来する人々が急な坂を息を凝らして歩いたのが「啼き啼き坂」の所以とか。
山頂まで4380mです。
啼き啼き坂をのんびりと歩きました。
倒木が登山道を通せんぼしていました。止む無く、急な斜面を登りました。
案内板ではまだ啼き啼き坂を脱していません。山頂まで3887mです。
コナラの大木とその先にアカシデの大木がありました。
坂の上の道(旧会津街道)とありました。
「鉄の道・塩の道」として、、、明治時代まで会津への道として人々が行き交っていたと言われています。
そんな古の道をのんびりと歩く。タイムスリップしてみたいなあ~
べコの綱木場が見えて来ました。
昔、旧会津街道を行き交う人々はここで牛や馬を休め、海を眺めながら情報交換したとか。
その海に福島第一・第二原子力発電所が出来、現在、大勢の作業員が廃炉作業に追われています。
モミの大木が現れました。こんなの見たことなあい~
この一帯はモミの木の原生林です。
山頂まで3180mです。
どこまでも続く、モミの木の原生林です。特別天然記念物に指定したい位です。
ヤマザクラの木はありませんが、この一帯を「桜窪」と言います。板付観音の鳥居があったとか。
尾根にへばり付く、根っこにパワーを感じます。
日隠山の山賊の民話が書かれています。(大熊町民話 野上川より)
浜通りから中通りへの流通路は旧会津街道でした。峠には山賊が出没し、百姓の米を略奪しました。
モミの木の案内板には、、、
日本四大銘木は木曽のヒノキ、秋田のスギ、津島(浪江町)のアカマツ、そして小塚(大熊町)のモミです。
ヨーロッパでは「生命のシンボル」とされ、クリスマスツリーに用いられます。
材料の用途は神社用建築材、絵馬、木札、かまぼこの台座などに使用されます。
左手がスギ林、右手がモミの原生林です。
一旦、登山道は林道に交わり、横断します。
「日和の小径」があるようです。本日はパスします。
登山道と林道が暫く、並行します。
約11km先に福島第一原子力発電所の1号機~4号機が見えました。
くしゃみは出ませんが、鼻がムズムズします。
参詣清水です。「福島の山々」を見ると水が流れていた写真が掲載されていました。
ここで板付観音コースと望洋台コースに分かれます。板付観音コースを選択、山頂まで1689mです。
「福島の山々」の板付観音(写真)を見ると同じ構図で板付観音を紹介していました。
岩に刻んだ観音さまの線刻は分かりませんでした。この辺りにあったのかなあ~
ロマンの広場への案内板です。約50m先に展望台がありますが、現在は荒れています。
この急斜面が土砂崩れの現場です。
大きな落石がありました。
その先の登山道の一部が崩れていました。
日隠山の大ブナです。(樹高約30m、幹周約3.3m、樹齢約200年)
クヌギの大デベソ
じじ石&ばば石に因んで大熊町の「じじばば隊」のみなさんが日隠山の登山道を整備しています。
この斜面の上に登山道があるようです。(望洋台への復路で確認しました。)
日隠山山頂まで最後のひと踏ん張りです。階段数は135段ありました。
途中、大クヌギがありました。(樹高約28m、幹周約2.85m、樹齢約160年)
天狗の岩に立つOさん
山頂までの登山道は笹に覆われていました。笹丈は腰までありました。
日隠山は一等三角点の山です。山頂に立つ山爺です。
眺望がないので、、、望洋台で休憩&コーヒータイムにします。
山頂から不明瞭な所がありましたが、登山道に出ました。先にあるのは望洋台でしょうか。
望洋台へは一旦、降ります。
そして、防火帯を登ります。防火帯にしては幅が狭いのでは、、、
望洋台です。手付かずの歳月が流れ、立ち木だけが伸び、荒れていました。
望洋台から福島第一原子力発電所を望む。(左から6号機、5号機、1号機~4号機)
ケヤキの樹皮を観察しました。
参詣清水まで戻って来ました。2004年の山レポの写真では水が流れていました。
復路は登山道?林道?旧会津街道?を降りました。
復路は途中で行き止まり。木に摑まりながら急斜面を降りました。
未舗装の林道ですが、途中から舗装道になります。
キケマン
往路は木の橋を渡って行きました。(写真左) 舗装道の林道を歩き、ゴールをめざします。(案内板あり)
坂下ダムが見えて来ました。一曲がりでゴールです。立ち入り禁止なので他に登山者はいませんでした。
大熊町の交流ゾーンが2021年10月17日にオープンしました。(Web掲載)
「宿泊温浴施設 ほっと大熊+交流施設 Linkる大熊+商業施設 おおくまーと」がゾーン内にあります。
下山後、ここで食事し、生姜湯の風呂に入って来ました。(入浴料¥500円)
坂下ダム管理事務所に放射線量を計測するモニタリングポストがあります。
東北東の方向、ダムサイトから約8km先に福島第一原子力発電所があります。
当日の放射線量は0.08μSv/hでした。
常磐自動車道と国道6号線に挟まれた地域の放射線量は0.1μSv/h以上、最高で5.4μSv/h。
2年前の日隠山山頂の放射線量は0.61μSv/hでした。(個人計測器使用でデータは疎ら)
現在、出来るだけ被ばく線量を下げるため、年間の上限被ばく線量を1mSv以下に定めています。
被ばく線量を下げるのは、個人の判断・責任に委ねるところですが、、、
日隠山の名の由来は海から見て山に陽が沈むところから来ているとのこと、、、もう、見れないかも。